文系初心者からプログラミングを学び活用することで、劇的に仕事の効率を改善したDX人材がいます。
ここでは主に組織的にプログラミングを活用しているのではなく、個人レベルの仕事の事例を紹介します。
彼らは文系出身ながらビジネスの土台を持ち、どの分野でも成功しそうなポテンシャルの高さを感じます。
そんなレベルが高い人達は、参考にならないと思うかもしれませんが、それは違います。
プログラミングを本格的に学ぶ気がない人でも成功事例を知ることは、「ITを使いこなす技術」を高めるヒントになります。
以下、動画を紹介します。
プログラミング言語【VBA・Python】を学び投資に生かす
金融トレーダー歴9年間のキャリアの持ち主「投資でーたかじり虫」さんの動画です。
情報の良し悪しで成績が全て決まる投資の世界で、AIを活用して情報の分析やトレードを行っています。
統計分析やファイナンスの知識を武器に、利益が出る運用モデルをプログラミングに作成させています。
たかじり虫さんは、元は文学を専攻。
プログラミングを勉強する前は、Excelさえも満足に使えなかったそうです。
この動画では、自分の能力や環境とは関係なく、プログラミングを学んでみる大切さが語られています。
プログラミング学習を2年続けると何でも作れるようになるらしいです。
彼はプログラミングを総合格闘技に例えています。
コードを打つことは直ぐにできますが、その周辺知識(統計学や機械学習など)が一通りできるには、一定の時間が必要です。
たかじり虫さんは、文系ながらプログラミングコードの書き方だけでなく、統計学や機械学習の基礎を学んでいます。
以下、たかじり虫さんが語るプログラミングの特徴やメリットです。
- プログラミングは総合格闘技、寝技やキックも必要になる
- 言語は一週間で使えるが、言語以外に覚える事が沢山ある
- 記憶力がいらない人生
- 一度作った物を使い回しができる
- 過去の一部の機能を再利用できる利点がある
プログラミングの習得に地頭の良さは関係なく、それよりも整理能力が必要だと力説しています。
自分が作りたい物、欲しいサンプルは既にできていることが多いです。
この動画から情報を整理して探し出す能力が、イコール「ITを使いこなす技術」になるとわかります。
投資の世界でも、AI利用は欠かせなくなっています。
AIで過去の株価に関するデータを収集して、チャート分析、今後の高値メドを教えてくれます。
AIが過去のデータを分析して適切な銘柄を選択してくれるので、初心者でも損失を出すリスクが抑えられことが期待されています。
すでに『高値予測AI』など株式投資向けのサービスが開発されています。
個人で活躍するたかじり虫さんが、プログラミングで作成した利用システムは、どのような物なのでしょうか。
たかじり虫さんのサービス例:「作業の完全自動化」
たかじり虫さんはnotoで、Pythonを利用した以下のノウハウを公開中です。
(1)プログラムを自動で起動する方法
(2)プログラムを実行し続ける方法
「【Windows版】超お手軽にPythonプログラムを自動で実行(起動)させる方法」
今回、紹介されているのは、「基本タスク」を毎日自動で実行する設定方法です。
Windowsを持っていれば、サーバーやLinuxの知識が無くても、全て無料で簡単に実行できることがわかります。
ただ、実行させたい「基本タスク」は各自それぞれ違うので、それは自分で作成する必要があります。
今後、私も自分で実行させたい「基本タスク」が作れたら、このシステムを実践してみたいです。
元商社マン、85歳の現役iOSプログラマーでアプリ開発
テックジムの共同経営者「グラさん」と85歳の現役iOSプログラマーの「トミ爺さん」の対談動画です。
トミ爺さんは、元商社マンで74歳からプログラミングを勉強し始め、独学でSwiftを覚えた現役アプリ開発者です。
ITのバックグランドのない文系畑のシニアが、80代でも活躍するのは、50代には励みになり勇気づけられます。
彼は現在、シニアのプログラマーを増やす活動も積極的に行っています。
街で売っている普通の専門書では、シニアには歯が立ちません。
そのような悩みをわかりやすく説明したSwiftの解説本も発売しています。
エラーは一万回を経験。
苦労は多いですが、彼の話からはアプリ開発のやり甲斐や喜びが伝わってきます。
トミ爺さんの金言です。
- すぐに人に聞いたら自分でやらなくなる
- 質問をする時にはポイントを整理せよ
- 熟練エンジニアも完璧にわかっているわけではない。でも解決スピードがプロなのだ
- 相談できるプロのエンジニアがいることが大事
- プログラマーは全部のコードを覚えているわけでない
- ベテランプログラマーは調べる能力に優れる
上記は、DX人材になるために何が必要か?参考になります。
特に周囲のプロに頼っても良いけれど、自分でも一度は努力することも大切だというのは、意識したい点です。
トミ爺さんのサービス例:「音声入力アシスト」と「読み上げウォッチ」
音声入力アシストのアプリをApple storeでリリース中です。
シニアでも簡単に音声で文字を入力できるアプリです。
音声入力ソフトは他にもありますが、入力した時に文字列を修正できない不便さがあります。
トミ爺のアプリは、シニアでも操作がしやすいので喜ばれています。
他にも自分達の日常生活に役立つサービスを作っています。
その一つ「読み上げウォッチ(健康法を支える)」は、画面に3個の時計を配置し、3分毎に色の違う画面に移動する見やすいアプリです。
健康維持のため片足立ち健康法を開始してから、時計に気を取られて運動に集中できない不便さを解消しています。
自分達の実体験から、開発のヒントが生まれていることがわかります。
人生100年時代に文系の80代シニアプログラマーの活躍が希望に
他にもシニアプログラマーでは、世界最高齢と言われる現役プログラマー84歳の若林正子さんが有名です。
若林さんも若い人に負けないアプリゲームが作りたいと「hinadan(ひな壇)」をリリースして話題になりました。
このアプリは、男雛、女雛、三人官女、五人囃子、仕丁を並べるシンプルなルールが特徴ですが、同時に日本文化も学べます。
シニアの視点だからこそ生まれた、どの世代も気軽に楽しめるゲームアプリです。
ちなみに若林さんも定年退職するまでは銀行勤めの会社員で、ITのバックグラウンドはありませんでした。
文系の80代シニア達の挑戦は、プログラミング習得は若い世代でなければ難しいという概念を覆してくれました。
一番の功績は、リリースしたアプリの価値だけではなく、何歳になっても可能性は広がる事を若い世代に教えてくれたことです。
文系が初心者からでもプログラミング開発を成功させるコツ
たかじり虫さんと同様にトミ爺さんも情報を整理して探し出す能力の重要性を説いています。
それと同時に文系や初心者が成功するコツは、2つの事も鍵になります。
- プロの力を上手に借りて巻き込んでいく人間力
- 自分の作りたい物、何をしたいか?目的が明確
80代でプログラミングをここまで使いこなせるならば、50代も負けてはいられません。
シニア世代よりも体力も気力もあるはずなので、本気になれば更に力を発揮できます。
80代の先輩達を見習い、私達も下の世代の背中を押せるような存在にならないといけないと教えられます。
文系エンジニアでも世界では通用する!文系がDX人材になる秘訣
最後になりますが、文系出身のエンジニアは世界では通用しないのでしょうか?
答えは、シリコンバレーの常識では「文系エンジニアは世界でも通用する」です。
文系出身者でも十分、世界でも戦えます。
他のエンジニアと上手く協業することが、非エンジニアが成功するコツです。
文系出身者であるからこそ、伸ばせる能力もあります。
文系初心者からプログラミングを学び成功したDX人材の共通点
上記で紹介した事例は、文系初心者からプログラムを習得できた一部の成功者の例です。
自分達とは違うし真似できないと感じた人もいるかもしれません。
しかし、彼らも最初は全くの初心者でした。
ただ、従来の固定概念にとらわれずに、柔軟に新しい事に挑戦していける前向きな姿勢が成功に繋がりました。
自分の学びたい事や作りたいシステムの目的がはっきりしていて、楽しみながら挑戦していることも共通しています。
何を便利にしたいか?自分の作りたい物を探すことを楽しみながら始めても良いかもしれません。